ボクは将軍様4



 「六カ国協議、うまくいったよね」

 「は。まことにもって」

 「糞ブッシュも今頃地団太踏んでるよ。いい気味だよね」

 「は。まことにもって」

 「で、いつ頃になるの? ボクの2500万ドル戻ってくるの」

 「は。おそらく来月中には・・・」

 「キム次官もよくやったよ。勲章あげといてね。ボクの喜び組からも二三人適当に見繕って・・・」

 「は。心得ております。で・・・核施設の稼動停止はいつ頃・・・」

 「バカだね君も。何年ボクの側近やってるの?」

 「Take and Take。もらうだけもらったら後は知らん振り。これ外交のキホンでしょ!!」

 「は! 申し訳ありませんでした!」

 「ホント寝ぼけたこと言ってると処分しちゃうよ。キム次官の爪の垢でも飲んでみる?」

 「さんざんじらせといてプイと帰国しちゃうやり口なんか大したもんだよね。ボクが指示したんだけど」

 「しかし日本は今だ拉致問題がどうのと言っておりますが」

 「拉致問題? あんなの好きに言わせとけばいいんだよ」

 「どうせどこも本気で取り上げるつもりなんかないんだから」

 「ぎゃあぎゃあ言って日本政府をけしかけてる拉致家族だって後十年もすればほとんどくたばって自然消滅しちゃうから気にすることないって」

 「は・・・確かに・・・」

 「もともとあの国は忘れっぽいからねぇ。先の大戦で朝鮮半島から何百万も同胞を強制連行したことすらほとんど忘れかけてるよきっと」

「だからボクらも忘れちゃえばいいんだよ拉致問題なんか。キム次官にもそう伝えといて」

 「は! ただちに!」

 「ところで寧辺のダミーの核施設だけど、建設ちゃんと進んでる?」

 「は。着々と予定通りに」

 「そう。ならいいんだけど・・・ごねにごねても後半年ってとこじゃないかな」

 「は?」

 「査察団を受け入れるまでだよ! ホント鈍いね君も」

 「は! 申し訳ありませんでした!」

 「その頃までにはちゃんと完成させといてね。でないとヤバイことになっちゃうから」

 「は! 全身全霊を傾けまして」

 「じゃあ任せたからね。さてと・・・ボクはネットでロシア女でも物色するかな」

 「は?・・・」

 「へへへ・・・実はね、今度"喜び組"の多国籍バージョンでも作ろうかと思ってるんだ」

 「ポケットマネーの2500万ドルが戻ってきたらね。朝鮮女も飽きちゃったしぃ」

 「ロシア女、ラテン系、フィリピーナ、北欧系、ヤマトナデシコ、それに黒んぼなんかも取り混ぜてね」

 「それはそれは・・・まことにもって・・・・」

 「うらやましいでしょ。君もちゃんと仕事すれば一人ぐらい分けてあげるから」

 「は。まことにもって・・・」

 「でも皮肉なもんだね考えてみると。結局大量破壊兵器なんか持ってなかったフセインは処刑され国中めちゃめちゃにされたのに、核にテポドンびんびんのボクはこうして大国アメリカを手玉に取ってるんだからね」

 「は。それもこれも偉大なる将軍様の偉大なる御導きがあったからこそと」

 「ま、確かにそれも大きいんだけど、つくづくブッシュがアホでよかったよ」

 「は。まことにもってブッシュはアホのクソ野郎でございます」

 「それにヘタに石油資源なんかもつもんじゃないよね」

 「は?」

 「油田地帯にたまたま国があったのがイラクの運の尽きだったってこと」

 「は?・・・」

 「ちょっと難しすぎた? わかんなきゃいいよ。君バカだから」