肛門くん3



 いつものコンビニ前。
 サル、カニ、茶釜がウンコ座りで所在無げにたむろしています。

 サル「最近*(肛門)見ないよな」

 カニ「そーいえば・・・」

 茶釜「なんかあったのかな」

 そこへ近所のおばちゃんが通りかかって声をかけます。

 「あんたたち知ってる? *さんが入院したって」

 「お見舞いぐらい行ってあげなさいよ。いつもおごってもらってるんでしょ?」

 サル "そう言うてめぇが行けよな!"

 カニ "え? *でも病気するの"

 茶釜 "やっは消化器系かな・・・" 

 でも二時間後には病院を訪れている三人組でした。

 「やぁ! 君たちが来てくれるとは思わなかったよ」

 ベッドに起き上がり満面の笑みを浮かべる*。

 サル "好きで来たんじゃねぇよ"

 カニ "*のくせに個室かよ"

 茶釜 "やっはいい奴だよな。俺たちって" 
 
 差し出された見舞いの花束や果物を*が困惑顔で受け取ります。

 「高かったんだろ? 無理しなくていいのに」

 サル "へっ! 人をヒンボー人みたく言うんじゃねぇよ"

 カニ "じっさい高かったんだけど・・・"

 茶釜 "じっさいビンボーなんですけど・・・" 

 具合を尋ねられて*が答えます。

 「正直あんまりよくないんだ」

 「・・・実は胃癌なんだよ」

 サル "えっ! マジかよ"

 カニ "胃癌って・・・*に胃があんの?"

 茶釜 "やっぱ消化器系なんだ" 

 「もうあまりながくないかもしれないんだ」

 サル "そんな話・・・俺たちなんかにすんなよな"

 カニ "え? ながくないって・・・何が?"

 茶釜 "やっぱ友達、いないんだろうな" 

 気まずい沈黙に押しつぶされそうな病室・・・
 仕方なくサルはお見舞いのバナナに手を出し、カニはぶくぶくと泡を立て、茶釜はしゅしゅうと茶を沸かし始めます。

 「はっはっはっ・・・」

 たまらず大笑いする*。
 その後ほろりと目から涙が零れ落ちます。

 サル "ナニ勘違いしてんだ?"

 カニ "え? ナニ泣いてるの?"

 茶釜 "やっぱ寂しいんだろうな" 

 それでも勢いでサルはバナナの皮に滑って転び、カニはシャボンで病室をいっぱいにし、茶釜は入れたての日本茶を差し出します。

 「あっーーはっはっはっ・・・」

 ベッドの上で笑い転げる*。
 さんざん腹を抱えた後、しんみりと一言。

 「ありがとう。ボクなんかのために」

 サル "苦手なんだよな。こーいうの"

 カニ "なにやってんだろ俺たち"

 茶釜 "つくづくいい奴だよな。俺たちって" 

 「君たちのこと、死んでも忘れないよ」

 これにはさすがにいたたまれなくなり

 サル "へっ! 死んだらそれまでだろーが"

 カニ "もうおごってもらえなくなるのかな"

 茶釜 "家族も見舞いに来ないのかな" 

 それぞれの思いを胸に早々に病室を後にする三人組でした。