ボクは将軍様10



 「とうとうやったね! テロ指定国家の解除」

 「は! まことにもって」

 「ね。ボクの言ったとおりだろ書記長」

 「ゴネにゴネてゴネ倒せば何とかなるもんだよ」

 「は。まことにもって」

 「これで心置きなくまた核開発に邁進できるね」

 「は・・・しかし日本だけは未だ拉致問題をたてに経済制裁を『あんなの放っときゃいいの!」

 「飼い主のアメリカさえ手なずければポチだっていずれ尻尾振るしかないんだから」

 「なるほど」

 「それよかボクがいない間に海外では死亡説まで囁かれてたんだって?」

 「は・・・」

 「病院でニュース見て驚いちゃったよボク」

 「は。おそらくKCIAあたりが発信源の陽動謀略ではないかと」

 「でもアレ見てボク考えちゃったよ。ボクが死んだらこの国どうなるんだろうってマジでさぁ」

 「は・・・」

 「瞬時に体制崩壊しちゃうよマジで」

 「ボクという太い柱でかろうじてもってるようなもんだからねこの国は」

 「は。まことにもって」

 「なにスカしてんの。そうなれば君らもみんなおしまいだよ。わかってる?」

 「体制側で甘い汁吸ってた連中はみんな飢えた人民になぶり殺しにされちゃうんだよ」

 「ボクという重しを失った軍部なんかもう、やけくそになって核テポドン乱れ打ちしちゃうかも知んないよ」

 「は・・・確かに・・・」

 「それでも後を継げるナンバー2がいれば話は別なんだけどさぁ」

 「は・・・」

 「ナンバー2なんかいないもんね。ボクだけのオンリー1だからさぁ」

 「しかし長男のジョンナム様が『あのバカは問題外!」

 「あんなバカ担いだら、たちまちロシアの淫売だらけになっちゃうよこの国は」

 「あのバカからボクの後光と女好き取ったら後何も残らないからね」

 「では次男のジョンチョル様が『やっぱそうなっちゃう?」

 「でもさぁ・・・後継者はアレしかいないとしても時間がかかりそうだよね」

 「あの留学ボケに人民洗脳、恐怖政治、対外恫喝、瀬戸際外交、ゴネ得交渉からはては拉致のやり方まで、帝王学の全てを叩き込むにはさぁ」

 「は。確かに・・・」

 「つまりボクはまだまだ死ねないってことだよね。結論としては」

 「は。まことにもって」

 「だからボクね、一大決心したんだ。病院で」

 「は?・・・」

 「酒や葉巻はもちろん、女も"粉"も控えることにしたのこれからは」

 「それはそれは、まことにもって・・・」

 「だから今夜から"喜び組"は半分の十人でいいよ」

 「は!」

 「それから"粉"も今までの半分の量にしてね」

 「は! かしこまりました」

 「あ。でも純度だけは絶対落としちゃダメだよ。健康に悪いから」