自由研究4



 はーいみんな!
 元気でやってるかい?
 久々に"なんでも自由研究"の時間だよ。
 今日はさとし君から提案のあった"引きこもり虫"の研究だ。
 みんな用意は出来たかい? じゃあさっそくさとし君の家に突撃だ!

 「おーーーっ!!」


 で・・・と。
 この部屋だねさとし君。
 問題の引きこもり虫が棲みついてるのは。

 「そうだよ」

 あれ、でも鍵がかかってるぞ。入れないな。

 「いつもそう。ご飯とトイレのときしか開かないんだ」

 そうか・・・困ったなぁ。
 みんななんかいいアイディアはないかな。

 「罠を仕掛ければいいんじゃないかな」

 「カブトムシは樹液に寄ってくるよ」

 そうか。その手があったね。
 じゃさっそく樹液をドアの手前に塗りたくって・・・と。
 このまましばらく観察してみようね。


 あれから二時間。
 なかなか出てこないね。
 こらこら、眠っちゃダメだぞ!
 観察は何より根気が大切なんだ。
 おっと・・・お母さんが何か運んできたぞ。
 そっとドアの前に置いたトレイの上は・・・なんとビフテキだ!
 引きこもり虫は普段こんな贅沢なものを食べてたんだね。どおりで樹液なんかシカトする訳だ。

 おっ!
 見てごらん、ドアが開くぞ!
 開いた隙間から手が伸びて・・・トレイをつかんがぞ!
 餌を引き込むつもりなんだな。でも、なかなか動かないぞ。
 そうか、樹液でトレイが床にはりついちっゃたんだ。 

 今がチャンス!
 みんな一斉に突入だ!
 と・・・あれぇぇ・・・どうやら驚かせすぎちゃったみたいだね。
 引きこもり虫、今度はベッドの布団の中にもぐりこんでしまったぞ。
 何か叫んでるみたいだけど・・・こらこら、踏んだり蹴ったりしちゃダメだ。
 とてもデリケートな虫みたいだからね。自ら這い出してくるように仕向けなくちゃ。

 「メスでおびき出せば?」

 「オスはメスの出すフェロモンに引き寄せられるんだ」

 お! よく知ってるねぇ!
 その通り。先生も脱帽だ。
 じゃあさっそくメスのイグアナを二匹
 布団の中にそっともぐりこませてみようね。

 お!・・・・
 中でもぞもぞ動いてるぞ!
 しかもだんだん激しくなってきたぞ!
 布団の中から物凄い雄たけびまで聞こえるぞ!

 「交尾してるんだ」

 「発情したのね」

 そうだね。
 引きこもり虫もこうやって繁殖するんだね。
 じゃ、その間に僕らは彼らの愛の巣をきれいにしてあげようね。
 日当たりも悪いし、変な臭いもするし、おまけに散らかり放題のまるでゴミ溜めだからね。
 要らないものは全部捨てるんだ。

 「この分厚い日記は?」

 燃えるゴミだね。

 「描きかけの漫画もあるよ」

 それも燃えるゴミ。

 「CDも山ほどあるよ」

 不燃ゴミだね。

 「このパソコンも?」  

 それは粗大ゴミだ。

 「フィギュアのコレクションも?」

 おっと、それは意外と学級費の足しになるかも・・・
 ダンボールに詰め込んで後で業者に見積もりとってもらおうね。


 さて・・・と。
 ずいぶんすっきりきれいになったぞ。
 これで何匹子供が生まれてもだいじょうぶだ。

 「でも動かなくなったよ」

 あ。ホントだ。ピクリとも動かないね。
 お! 布団の下からイグアナだけのっそり這い出してきたぞ。

 「死んだのかな」

 「身ごもったのよ」

 「卵産んでるんじゃないかな」

 なるほど・・・
 その可能性もおおありだね。
 じゃあ僕らはこの辺で撤退しよう。
 虫本体をじっくり観察できなかったのは残念だけど
 なにより繁殖を邪魔しちゃいけないからね。

 「トキも絶滅寸前なんだ」

 お。
 いいこと言うね。
 そうそう。トキも野生で繁殖させるのが一番大切なんだ。
 みんな覚えておこうね。

 「はーーーいっ!!」